台風去って、ヨーロッパトウネン・・・!?

台風去って、ヨーロッパトウネン・・・!?

8/24 台風9号が去った後、乾ききった田んぼが潤いを取り戻したので、涸沼を巡回しました。

▼台風の置き土産を期待して出かけたものの、今までいたシギチドリすらなりを潜め、おおむね田んぼは空っぽです。
そんな中、いつもの休耕田を眺めると、至近距離にコチドリと、顔がうっすら赤みを帯びたトウネンと思しき鳥が一羽いました。
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▼撮影を始めると、ツツツと小走りする姿に、得も言われぬ違和感を覚え、思わず「このトウネン足長い」とつぶやきました。同行者は「ヒバリシギっぽく見えた」とも。

足の長いトウネンといえばヨーロッパトウネンですが、涸沼全体を見てもシギチは限られた場所に雀の涙ほどしかいないというのに、いくら台風のあととはいえ、いきなりヨーロッパトウネンが単独で飛来するような珍しいケースがあるとは思えず、違和感のことはすっかり忘れて帰りました。
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▼その後、しばらくして写真を見返すとやはり拭えない違和感があり、サイトや図鑑と首っ引きで同定に挑戦。
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▼ヨーロッパトウネンの特徴として、軸斑のコントラストが強いこと、下を向いた時の腰高感、初列風切先端が尾羽先端より突出傾向、背中にV字模様、のどが白いこと、などなどが挙げられます。

どれか一つでも満たしていなければ「なんだ、やっぱりトウネンか」とあっさり腑に落ちるのですが、本個体はどの条件も満たしており、ヨーロッパトウネンであることがどうしても否定できません。
しかし、「ヨロネン」を見たことがないうえ、こういうとき人間は珍しいほうに考えがちだということは知っているので、どんどん泥沼にはまって確信が持てなくなっていきました。
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▼そこで、シギチにお詳しい方にお尋ねしたところ、写真を見る限りヨーロッパトウネンで良いのではないかとお墨付きを頂き、ついにモヤモヤから解放されたのでした。(Little Stint)
シギチの識別の難しさを改めて感じる出会いでした。
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